劇団猿面劇団猿面第18回公演 劇場風景

STAGE18

旗揚げ20周年記念公演
「ふたりの時間」

2017年11月18日/19日

↓ END


猿とシャボン

いらっしゃいませ。

このページでは、2017年11月公演の小屋入りから公演当日の様子をお届けします。
メンバー達の公演後記や舞台写真もあります。
どうぞごゆっくりご覧下さい。

仕込み風景 公演ウラ話 公演後記 舞台写真


仕込み風景

11月14日 小屋入り前の準備

今回の舞台セットの中心になっていた鏡。
小屋入り前に下ごしらえしておきました。参加可能なメンバーが集まり、鏡を加工。

舞台監督とお手伝いの若者が参加してくれたおかげで良い物が出来ました。

猿面の舞台セットにはプラダン(プラスチック段ボール)を使用する事が多いです。ほぼ毎回使っています。
元はそれぞれ違うサイズの鏡を程よい大きさに揃えるため、プラダンで覆う加工をしました。

舞台転換で鏡をスムーズに回転させるために、木枠に脚を付けてキャスターを付けました。
実生活で使える程の仕上がり。
写真はプラダンを貼る前です。木製で雰囲気が良いので、プラダンを貼るのが勿体ないくらいでした。
スダレを掛けるための木枠も、このとき作りました。


11月16日 小屋入り 照明・音響の仕込み

今回は小屋入りが16日(木曜日)でした。仕込みは、16日・17日の二日間でした。

仕込み初日は、照明の仕込みがメインです。
この日は参加できるメンバーが少なかったため、朝一からの集合は代表・シズカさん・野上の三人でした。

三人だけ???と、思いきや、仕込み慣れしている三人なので何の問題もありませんでした。気心を知り合った仲の三人ですから、仕事が早いのです。

三人で灯体を吊って、当りの位置を決めて、その後、シノダ氏の指示でシーンごとの色合いや明るさを決めました。
久里子さんも途中から参加で作業に加わりました。
いつものように、シノダ氏の難解な指示が理解できるシズカさんが照明卓を操作して明かりをつくりました。

ここまで終えても余裕があったので、音響関係もマイクを繋いだり、ボリュームを決めたりするところまで進めました。
今回の公演では暖房を入れてもらう事ができたのですが、暖房を入れるとその音が出るため、それを踏まえて音量を検討しました。
心配していたほど空調の音の影響は無かったようです。
阿吽の呼吸のメンバー達によって、この日のノルマを無事に達成しました。


11月17日 公演前日 仕込み

前日と打って変って、この日の仕込みはメンバー達が揃いました。
皆で舞台セットを作っていきます。
写真は、朝一の打ち合わせ風景です。


今回は、(今回も?)色々な仕掛けがありました。
裸電球が揺れるのも、冒頭シーンで物が勝手に動くのも、仕掛けがしてありました。
何を使って仕掛けを操っていたのかは、お客様にも想像がつくと思われますが、バレるとわかっていてもやりたいシノダ氏。ベタな事を敢えてやりたい人なんです。

こちらは皆で掃除中の風景です。
毎回、舞台上土足禁止の猿面。舞台上はもちろん、舞台袖から舞台裏まで掃き掃除し、雑巾掛けします。
今回は仕掛けに使用したボーダーライトもキレイに拭きました。猿面の公演後は、南部の舞台がキレイになっている。かな?

今回も看板用のシートをMASAHIKOさんが作ってくださいました。今年も立派な看板でお客様をお迎えする事ができました。
公演前には大きなポスターも作っていただきました!

看板は、南部青少年センターの玄関と劇場の入口に置かせていただきました。
この看板を見てご来場いただくお客様もいらっしゃいます。
宣伝活動が地味な猿面の集客に、多大なる貢献をしてくれている看板です。
センターの大きなクリスマスツリー越しに見ても目立っていました。
毎回ご協力くださる方々のおかげで、猿面の公演は成り立っています。ありがとうございます!


公演ウラ話

11月18日 初日

初日は雨模様でした。晴れて欲しいという願いは叶いませんでしたが、
雨にも関わらずたくさんのお客様にお越しいただく事が出来ました!一同感謝です。
雨だとお出掛けしたくなくなってしまうのでは?という猿面の心配は無用だったようです。
雨にも負けない皆様のお気持ちが本当にありがたく、一同が喜んだ今回の初日でした!

朝9時に搬入口が開くのを待っているメンバー達です。
朝、集合するのが早い(早過ぎる?)時間厳守の猿面達。
伝達事項やメンバーの体調確認などをこの時間にします。
早くも打ち合わせしている代表とスタッフチーム。野上はお茶でうがい中です。
初日は、朝一からゲネがあります。
その後、昼公演・夜公演と続きますから、最も体力を要する一日が始まります。
メンバー全員、気合いの入る朝の風景です。


13:30開演

「ふたりの時間」 20年の思いをのせて開演


猿面ジャージの話

今回の20周年記念公演に合わせて、猿面のスタッフジャージを作りました。
団員でお揃いを作るのは、結成以来初めての事です。
猿面マークの刺繍がされているジャージ。「Gekidan Sarumen」と入れてもらいました。
漢字で「劇団猿面」にしたほうがいいか?と話し合いましたが、それじゃわかり易すぎてちょっと恥ずかしい。という事で、ローマ字にしました。
それはもう喜んで着ている猿面達♪ そんなに嬉しいか、という喜び様です。それなら、もっと早くに作ればよかったじゃないかって話ですけど・・・

刺繍屋さんに相談し、糸の色も吟味して決めました。
本番中に舞台裏方をする時にも使えるように、シャカシャカ音がしない生地で、刺繍も目立ち過ぎないよう、実用性も重視されています。かと言って目立たないと意味ないし、とあれこれ検討しました。
メンバーの名前もそれぞれ刺繍して貰って、とっても喜ぶ一同♪♪
だから、もっと早く作れば良かったでしょ、躊躇するほど高額じゃないんだから。
と、思いもしますが、節目の年に作った事も嬉しさ倍増の理由なので、この公演でこそ作る物だったのでしょう。
お客様からも「欲しい!売らないの?」というお声をたくさんいただきました。
嬉しいお言葉ですが、残念ながら、猿面は「何も売らない劇団」なので、今のところ販売予定はないそうです。ごめんなさい。


音響ショーコ&照明Nanaさん

丸ちゃんが今回の公演には参加できなかったため、音響を担当する事になったショーコ。
経験者なので、突然の指名にも慌てる事はありませんでした。
ショーコは、今回、出演はありませんでしたが、役者でもあるショーコです。セリフとのタイミングを合わせるセンスを持っています。演出シノダもそこを信頼していました。
ショーコなら「自分が役者で舞台に立っていたら、このタイミングで音が欲しい」と考えて音を出してくれるはず、という安心感があったそうです。
役者ではありませんでしたが、舞台袖にいたショーコも間違いなく劇の一部でした。

そして、いい笑顔のNanaさん。
すっかり猿面の照明さんとして定着しています。今回も完璧な仕事をしてくれました。

もうホントに、冗談抜きで遠くにお嫁に行かないでくれ、とシノダ氏はよく言います。

さらに結婚する時は、猿面に理解のある旦那さんじゃないと困るって・・・シノダ氏がNanaさんの結婚相手の条件を決めるのはどうかと思いますが、それほど貴重な人材ということです。

小さかったNanaちゃんが立派に成長し、もう社会人です。猿面に合わせてお仕事のお休みも調整してくれています。

ショーコとNanaさんの強力コンビのおかげで、今回の役者二人は安心して集中できたそうです。


初日の受付風景です。おなじみの受付穣、マツとTAKAちゃん。そして、久里子さんです。
久里子さんはシモベの仕事もありましたが、受付スタッフとしても活躍してくれました。

夜公演にはサエちゃんも駆けつけてくれました。
頼りになる会場案内係です。

そういえば今回は、公演後の打ち上げでの彼女の武勇伝は伝わってきてませんね。
酒癖がよくなったのでしょうか。
そんなわけは無いので、たまたま大人しかっただけでしょう。


シモベの話

黒子としてシモベが登場した今回の芝居。 シモベ1号と2号だった代表と久里子さん。
当初から、あくまで役者は二人だけ。と、シノダ氏は言っていました。
シモベは舞台転換や仕掛けの操作などが役割の「裏方」です。
とも言っていました。

そのわりに一緒にダンスを踊ったり、堂々と登場したりしていました。
それでもシノダ氏は「シモベは裏方、スタッフです」と、矛盾を言い続けました。


たとえ見えていても、役者だと思うな、と言われていた二人。
シノダ氏はシモベの二人に、「自分」を消す事を求めました。
それが今の代表と久里子さんに必要な事だと考え、シモベに指名しました。

代表らしさを出すシーンもありましたが、そこは芝居の中での遊びを求めた部分であり、役者としての代表を求めたわけではありませんでした。
どんな場面でも冷静な黒子に徹する事を要求しました。

シモベは、今後の芝居で役者としてこの二人を使う時のために必要な準備だとシノダ氏は言います。
シノダ氏は、求める佇まいで居られる役者を求めているので、役者本人が出過ぎるのを嫌います。
何をやっても同じ人(役者本人)になる役者は、いくら魅力的でも評価しません。
個人の絶対的な魅力は持って生まれた宝ではあるが、時として役柄を殺し、劇の世界を汚染する毒になると考えているからです。

もちろんこのシモベをやらせた所で、すぐにどうなるわけではないとわかった上での設定でした。
今後もシノダ氏は変幻自在の役者を求め、あの手この手を試す事でしょう。


11月19日 楽日

明けて楽日。朝からお天気です!
美しい青空、嬉しい朝となりました。

早くも最後の公演を残すのみです。
最終日はゲネもありませんので、本番前の準備が余裕を持って行えます。
動画版の劇場風景の撮影やら、準備体操やら、お昼ご飯やら、万全の準備をして本番を待ちます。

劇場入りしてすぐに舞台上に集合、打ち合わせです。この日の公演が成功するよう、裏方・受付・役者が揃って諸々確認します。

こちら動画版劇場風景の撮影をしているところです。
いつもこんな具合に、メンバーが交替で撮りっこします。
動画版でも本番中の裏話があれこれ出てきます。 完成しましたら、Youtubeで公開しますので、どうぞお楽しみに。
メンバー達のいつもの様子や人間関係(?)がよくわかる、ヤラセの無いドキュメンタリーです。

その後皆でお昼ご飯です。荷物の少ない男楽屋で皆揃って食べています。
毎公演、たくさんの美味しい差し入れをいただきます。
猿面メンバー、お手伝いの方々、皆でありがたくごちそうになっております!


13:30 開演
皆で大切に育ててきた「ふたりの時間」 最後の公演が始まります。


光のシズカさん

光役を熱演したシズカさん。ご覧くださいこの豊かな表情。

ここ数年、シズカさんが「代表にも劣らない顔芸」、違った、「魅力溢れる表情」をするようになりました。

今回の芝居、誰より楽しんでいたのはシズカさんではないでしょうか。
彼女の芝居好きは、また新たな境地に至ったようです。

ド迫力なので、もう一枚。

これを見たシズカさんにシバかれるのを覚悟で載せております。
もちろん掲載前に彼女の了解は得ていません。

いつも以上に、役に体当たりしたシズカさん。
光という役を貰ってから、とても大事に演じてきました。
役のために長かった髪もバッサリ切りました。
ヒールで踊る難しいダンスにも挑戦し、その楽しげな姿はお客さまからも大好評でした。

あ、真面目に書いていたのに、またこんな写真が・・・

かつてシノダ氏から、
「真面目にやり過ぎで遊べていない」と、ダメを出されていたシズカさんですが、今回はだいぶ遊べていたのではないでしょうか。
飛んだり跳ねたり身体を張るシーンが多かったのですが、小さな体を一杯に使って弾けていました。

シノダ氏から任された二人芝居の重責をしっかり受け止めてこの舞台に立ちました。

脚本を渡された当時は「すごく楽しみ。だけど、怖い。」と、言っていたシズカさんですが、彼女が本番中に怖がる事はありませんでした。

「主演女優なのにこんな写真ばかり載せやがって!いい加減にしろ!」と、そろそろホントに怒られそうなので、こちら。


ヒカリ輝く笑顔です。
これまでもシノダ氏からの無理難題を受け止め、与えられた役に愛情を注ぎ、
考えすぎるほど考えて自分のものにしてきたシズカさん。
公演ごとの着実な成長をシノダ氏も評価しています。
色々な役柄をこなせるシズカさん、今後も彼女の変身ぶりをお楽しみに。


キスシーンの話

傘に隠したキスシーン。

ここは野上が苦戦したシーンでした。
キスに至るまでの動きを、お姉さん達にさんざん指導されていました。
「ここで頭を掴んで(「掴んで」と言っている時点でもう間違ってる)、肩を押えて、で、その時傘を担いで・・だから・・はい、イチ、ニ、サン」と掛け声を呟きながら、『型』を追う野上。
イチで頭を掴まれ、二で肩を押さえ込まれ、サンでどうしていいかわからないシズカさん。

「なんでそうなっちゃうのよ!雰囲気台無しでしょ!!」と、女性陣に何度も叱られていました。
野上は、「時生はそんなに手馴れてないから、キスは上手くないはずだ」と、タドタドしさの言い訳をしていました。
じゃあ、女性に手馴れた役の時は上手く出来るのかい。そこは、試してみないと、役に合わせただけなのか、本当にオクテなのか、単なる照れ隠しだったのか、わかりませんね。
色気もへったくれもない練習を重ねた野上でしたが、本番では本気を出したとの事です。
このシーン、本当にキスしているかどうかは、本人達以外知りません。


楽日の受付風景です。MAIちゃんも来てくれました。

今回の公演、楽日にお手伝いに駆けつけてくれた方々がいらっしゃいました。
若い(10代の!)男子達です。ありがたい!
腰痛の心配もいらない活きのいい人材!力仕事もお願いできる!
初めてのお手伝いで、公演後のバラシ(撤収)に協力してくれました。
例年通りバラシ常連のMASAHIKOさんと舞台監督の指示で、どんどんバラしてくれた若人達。
男手があるのは本当に助かります。おかげさまであっと言う間に片付きました。
ありがとうございました!!又、来年も来てくれるのを一同かなり期待してます!


歌とダンスの話

お客様の手拍子で大いに盛り上げていただいた、こちらのシーン。
ドスの利いた声で野上が歌ったキューティハニーです。二人と一緒にシモベも踊りました。
このポーズは何故か皆、ウルトラマン風です。小ネタが大好きなシノダ氏と野上。お客様の笑顔を思い描きながらつくったシーンです。
お客さまに一緒に楽しんでいただきたいと思っている猿面ならではのダンス。 野上は自分が過去振り付けた中で一番楽しいダンス、と満足しきりでした。

シノダ氏が参加した当初は、ダンスも歌も全く無いという芝居もありました。彼も元々はそっち(ストレート)だったはずなのですが・・・
実験的にやってみましたら、なんだか大変評判が良く、リクエストをいただきました。
こんなに喜んでいただける事のほうが、しゃっちょこばった演劇論なんかよりよっぽど大事だ!やっちゃおう!となりました。芝居に鮮やかな色彩が加えられるし、やってるほうも楽しいもんね。という事で、今に至っています。
シノダ氏は、お客様に劇の世界を一緒につくって貰える事を願って創作しています。こうしたシーンがその取っ掛かりになれば、という思いもあって、取り入れるようになりました。
お客様に喜んでもらえて、それが芝居の助けになる。彼ならではの一石二鳥の手法は猿面の定番になりました。

今回は、このシーン以外にも歌とダンスのシーンが多くありました。
ミュージカル劇団ではない猿面では、歌もダンスも専門家には敵いません。シノダ氏は、やるからには恥ずかしくないもの見せろとは言いますが、上手い下手やレベルの高さより、懸命にやっている姿が芝居として成立していれば良しとします。ありがたい事に毎回多くのお客様から、そんな猿面独自の歌とダンスのご要望をたくさん頂戴します。
特に20周年ですから、ご要望に出来るだけお応えできるようにと準備しました。
求めてくださるお客様がいらっしゃるのは本当にありがたいです。求めてもらえるうちが華。
どのシーンもこれまで以上のものをお見せしようと、一同練習に励みました。


命の歌

終盤で、野上がアカペラで歌うシーン。
脚本上では、「命の歌」と名付けられたシーンでした。
シノダ氏の脚本では、芯になるシーンを歌によってあらわす事がよくあります。

セリフにしてしまう事があざとく思えたり、みなまで言いたくなかったりするとき、彼は歌による表現を選びます。
上記の楽しいシーンとはまったく別の目的を持つ歌です。

この曲は、野上にとって楽に出せる高さではありませんでした。
(高音が特技で無い限り)男性にはキツイ高さかと、稽古では下げて歌わせた事もありましたが、楽に出せる音では、やはり求める歌になりませんでした。

シノダ氏は、この曲に関して『上手な歌』として成立しないものを要求しました。
ギリギリで、余裕の無い状態で、この歌を歌う事を野上に求めました。時生の心情をあらわすために、野上を追い込み、必死にさせました。
野上は顔を真っ赤にして、血管を浮き上がらせ、体をよじりながら、懇親の力を込めてこの歌を歌いました。
このシーンの是非については、ご覧になった方それぞれでしょう。
それでも、多くの方がこのシーンを良かったと仰ってくださいました。泣いてくださったという方もいらっしゃいました。
作者演者ともに、「思いよ、届け。」と願い、つくったシーンです。
言葉を尽くさなくても、なにかしら感じ取って貰えた。そう思えるご感想をこのシーンにいただけた事は、これからの大きな力になります。


劇団代表の話

我等が代表・田中綾子です。
劇団旗揚げ以来、ずっと猿面を引っ張ってきました。結成当時のメンバーも今はショーコのみ。新たなメンバー達と共に20周年を迎えました。

この20周年記念公演は、劇団の長として感慨深いものだった事でしょう。
代表はいつでも一生懸命です。
一生懸命ゆえの空回りも女帝発言もありますが、田中代表が代表であってこその劇団猿面です。

今回は役者ではなく、裏方のシモベとして芝居を支えた代表。
シノダ作品で彼女が役者として舞台に立たないのは、今回が初めてです。
看板女優の一人である代表をシモベにしたのは、シノダ氏の意向でもありましたが、代表自身も役者としての自分を見つめ直している時期でもあったからです。

猿面の太陽である代表が、与えられている課題を克服し、迷い無く、力強く輝くのをシノダ氏は待っています。
劇団代表としての立場だけでなく、田中綾子個人としても節目になる20周年公演だった事でしょう。


時生の野上

情けない時生を演じた野上。
ふだんの彼は情けない所を出しませんが、今回のダメ男っぷりは堂に入っていました。
光とやり取りしているシーンでは、ほぼ情けない顔ばかりしています。
これとか、

これとか。
・・・かつて二枚目役を演じた時の片鱗も見られません。
当たり役がオカマ役、女性と間違えられる中性の魅力(?)もどこへやら。
シズカさんもでしたが・・いいのかな、こんな顔の写真ばっかりで・・・20周年記念公演だったはずなんですが。絵にならない顔が続いております。

ついでにこんなのもありました。
野上の隠れファンの皆様、申し訳ございません。
役への忠実さゆえの姿とお許しください。えっと、シズカさんはこれ、本気で笑ってますね。

そして、細身のくせにこの隆々たるフクラハギ。
武道で鍛えた賜物でしょうか。第二の心臓がデカ過ぎる男なんです。
舞台度胸に定評のある野上。シノダ氏が追い込まなくても、自ら追い込む気質です。野上はドM兼ドSなので。
野上もシノダ氏同様、演劇学校卒です。猿面入団前は、いくつかの劇団で客演として小劇場の舞台に立っていました。そんな彼にとっても初体験だった二人芝居。二人での長丁場、少しは不安になっても良さそうなものですが、シズカさんとなら何の心配も無いと安心していたそうです。


ふたり

無事に二人芝居をやり切った二人。最終回の公演終了直後の写真です。
皆に支えられ、それぞれの役を演じる事が出来ました。
「役者は二人だけ。」と、シノダ氏は言い続けましたが、そこには「劇団全員の力が無ければできない芝居」という言外の意味がありました。
仲間の力の大きさを、この二人が最も強く感じているでしょう。


公演終了!!

記念公演でしたので、特別な「お楽しみ」もご用意しました。
お客様に温かく見守っていただき、笑顔いっぱいのカーテンコールでした!!
どちら様もご参加、ご協力ありがとうございました!

こんな嬉しい応援グッズをご用意してくださった方もいらっしゃいました!
ペンライトとお手製のウチワです!
「祝・20年」

代表はこれを見て、感極まって泣きそうだったそうです!
熱烈な応援、ありがとうございます!!


バラシ直前の記念撮影
少年達は顔出しNGのため、残念ながらモザイクですが、笑顔で記念撮影。


2017.11.19 15:51


公演後記

【出演者】

光役・芝崎静夏

光(ヒカル)
芝崎静夏

終わって二週間。不思議な感覚を味わっている。
生活の中に帰り日常の私になっているのに、現実味がない。
まるで何かに包まれていて、その上を日常が滑っていくような。
そのくせ、舞台上で感じたあの感じ。細かい粒子のような、気のような、力のような何かが凝集して密度を増していくような感じ。その感覚はやけに生々しく甦ってくる。
まだ戻ってない とはこういうことかと思う。
少しずつ薄くなっていく、私を包む何かがいつか消えるまで、余韻を楽しめばいいかと最近は思っている。

初の二人芝居は、楽しかったなぁ。としみじみ思う。
一方で、自分に足りていない部分を明確に示してもくれた。
面白い。また目の前に続く道が見えてきた。その先にあるものを見たくなった。

大丈夫。光の残した小さな光りで、足元は明るい。

ご来場いただいた皆様、ありがとうございました。また来年もお待ちしています!

2017.12.4.


時生役・野上竜司

時生(トキオ)
野上竜司

「ふたりの時間」が終わり、変な感じがしています。
僕の頭の中には、あの部屋の窓から見た景色がまだ残っています。

遠くの工場の明かり、薄っすら雲の張った夜空、向かいの家の玄関先、そんなもの、無かったはずなのに。
変な感じだなあ。

今回、僕は終始安心感を持って舞台に立っていました。
あの舞台の上で、観客の皆さまに観られているというのに、時生の部屋は作り物だったはずなのに、妙に安心した気持ちであそこに居ました。
暖房も効いていましたが、それとは別の温かくて柔らかな空気が包んでくれていたようでした。
あの優しい空気は、観客の皆さまの眼差しのおかげだと、勘違いだとしても、僕はそう思っています。
勘違いでも御礼を言いたいです。ありがとうございました。また次回も皆さまのお越しを心よりお待ちしています。
安心できたのは、もちろん仲間達のおかげでもありました。信頼する皆がそばにいて支えてくれたからです。皆が守ってくれたからです。これには確信を持って御礼を言います。
皆、ありがとう。感謝しています。

2017.12.5


【スタッフ】

シモベ・田中綾子

シモベ 劇団代表・田中綾子

劇団猿面第18回公演、旗揚げ20周年記念公演に足を運んでいただき、ありがとうございました!
アンケートに書いていただいたお祝いの言葉や、カーテンコールで祝20年のお手製うちわを掲げていただいたのを見た時、本当に20年経ったんだと感じ、ジーンときました。

公演後、結成当初からの20年間を振り返り、改めてたくさんの方々に支えられてると感じています。

猿面の20年間に関わってくださった皆様、本当にありがとうございます。
これからも猿面は活動し続けます。
今後ともよろしくお願いいたします。

さて、私事ですが・・・「顔が見えないのに、どんな表情かがわかる。」
稽古の時からみんなに言われ、存在を消す難しさをつくづく感じた今回の公演でした。
克復課題は盛りだくさん。溜めすぎないようにしなければ。

猿面は、毎年秋に公演を予定しています。
また、来年の秋にお会いできるのを楽しみにしています。

2017.12.6


シモベ・桜 久里子

シモベ 桜 久里子

始め黒子ということで戸惑いがありました。
小道具・場面転換・ダンス・・・舞台上にいても、黒子の存在を出してはいけない。そこで頭で覚えるのではなく、体で覚えるように努めました。舞台と一体化するように。出来たか否かは、今後に反映されるかどうかだと思っています。本当演劇は楽しい!
ありがとうございました。

2017.12.4


音響・山田しょうこ

音響 山田しょうこ

「終わっちゃった」いつも淋しく思う。それから、悔しさと 心のモヤモヤと。
でも、今回はちょっと違う。そりゃ、多少(?)の淋しさ 悔しさ モヤモヤはあるけど、今回は「よし!」もある。小さいけど「よし!」 次回、その次、もっと大きな「よし!」を目指して・・・

2017.12.4


照明・Nana

照明 Nana

20周年という節目の年に照明として参加できた事をとても嬉しく思っています。猿面が終わると年の瀬を感じます。また来年も変わらず皆様とお会いできますように。
ご来場頂いた皆様、ありがとうごさいました。

2017.12.6


受付会場・重城サエ

受付会場 重城サエ

今回の舞台は二人舞台ということで、逃げ場のない役者同士のぶつかり合いを感じていただけたのではないでしょうか。

これからも一歩一歩歩み続ける猿面を応援していただけたらと思います。

2017.12.7


脚本・演出 しのだ 冬吾

旗揚げ20周年記念・第18回公演「ふたりの時間」にご来場いただきました皆さま、まことにありがとうございました。
また、公演にお力を貸してくださった皆さま、今年もありがとうございました。

おかげさまで今年も観客動員数を更新することができ、団員一同心から嬉しく思っております。 今回もご覧いただいた皆さまから、「もっと長期公演できないのか」、「観劇料を取った方がいい」というお声を頂戴し、恐縮しつつもありがたく受け止めております。
アンケートでもたくさんのご感想や応援のお言葉をいただきました。

観劇直後にアンケートを書くというのは、難しいことだと思います。実を言えば、僕は苦手です。
ですから、皆さまからのアンケートは目を瞠る思いで読んでおります。
よくぞここまでしっかりと物語を捉え、役者の息づかいを感じてくださったというアンケートが多く、そのことに感動します。
観劇経験の多い少ないに関わらず、猿面のお客さまは『芝居眼』の鋭い方がたくさんいらっしゃいます。

今回も僕らにとって嬉しいご感想を多数頂戴することができました。そして、ご自身と照らし合わせての貴重なご感想も数多くいただきました。
どれも得がたい糧になるものでした。身の引き締まる思いで読みました。
そればかりか、「20周年おめでとうございます」と書いてくださった方が多く、その温かさに打たれました。本当に猿面はしあわせな劇団だと思っております。
「20周年にふさわしい作品」というお言葉も頂戴し、これは作・演出の立場からもたいへんありがたく、冥利に尽きます。

パンフレットにも載せましたとおり、20周年に敢えて二人芝居を選んだのは、僕らが目指している「劇の中で生きる」姿をこれまで以上の完成度で実現させようとしたからでした。そして、目指すところにどこまで近づいているかを確認するためでもありました。

『演劇』と言っても様々あります。 新劇と言われるスタイルもあれば、アングラと言われるスタイルもあります。今やこうした切り分けも古ぼけているのかもしれません。僕の知らない演劇のスタイルは、あまたあると思いますが、それぞれのスタイルで求められる演技は異なるという点について変わりは無いでしょう。
猿面の芝居にも、猿面ならではの求める演技があります。

僕は役者達に「セリフを歌う」のを許しません。
セリフに現実味がなく必要もない抑揚を付けるのは、僕らの芝居の求める形ではないからです。
僕も役者をしていたかなり昔の話ですが、セリフを歌う演技を要求されたことがあります。
要求通りに、日常の会話では有り得ない、歌のように節をつけた、大げさな抑揚でセリフを言いました。OKをいただきましたが、あまりの気持ち悪さに鳥肌が立ったのを今でも覚えています。
そうしたセリフの言い方を巧みとだと評する演劇スタイルを否定はしませんし、一定の敬意は抱いていますが、僕自身がそれをするのは受け入れられないことでした。
僕の尊敬する演劇の恩師が忌み嫌っていた演技をするのは、到底出来なかったのです。
その劇団に入団した直後から、数本の公演への出演が約束されていました。 役者を職業にできるチャンスではありましたが、寒気を覚えながらの演技を続けるなど出来るはずも無く、即刻退団しました。

僕の脚本は日常の姿を描いているため、お芝居くさい演技は邪魔にしかならないのです。セリフの言い方だけでなく、実の伴わない形だけの身振り手振りも要りません。
劇の世界であっても、まるでそこで本当に生きているような、実在している人のように錯覚してもらえるような、そういう演技を要求し続けています。

僕の脚本にも現実には有り得ないシーンもありますし、日常としては大げさなリアクションもあります。
日常の自然さに寄り過ぎては観ていただくには物足りなく、伝わらない心配があります。かといって本物の感情を出し過ぎてはいやらしく、下手をすれば陶酔した姿を曝すだけになります。
役者が自分の演技に酔ってしまう姿ほど無様なものはありません。もう一人の自分が客観的な目で自身の演技を評価すべきと考えています。そして、役者という特殊な人種は、観られる立場だからこそ、謙虚でなければなりません。
劇の中で生きる、というのはフィクションと本気のバランスをいい塩梅で取ることだと思っています。 そしてそれは、自分達の満足に偏らず、何より観てくださる方にとって良質でなければなりません。
お客さまに、僕らの真剣なごっこ遊びにお付き合いいただくためには、日常と演劇の狭間を作り、いかにスムーズにそこへお誘いできるかを考える必要があります。 登場する役者がただの一人でもこのごっこ遊びから外れた演技をすれば、劇の世界はたちまち白けて、崩れてしまいます。

今回役者に選んだ二人は、僕の理想をよく理解し、僕が最も信頼していると言っていい役者です。
彼らの芝居への執着心が、今回の二人芝居を誕生させたとも言えます。
公演を終えた今、お客さまからのご感想も踏まえた上で、この二人での二人芝居にしたのは正解だったと思っています。 もちろん例年通り満点は出していませんが、過去の公演のなかで、最も目指すところに近い作品に仕上げてくれたことは評価しています。また、脚本を渡して間もなく(これまでで最大量の)セリフを覚え、早い段階でレベルの高い稽古を実現し、稽古を無駄にしない姿勢は期待通りのものでした。

僕の作品に多数出演している二人ですから、稽古中もいちいち口出しする必要はありませんでした。 彼らの演技に関する根本的な心配は一切なかったので、僕は今回、演出と言うより相談係のようなものでした。

役者二人の作品への熱意と、団員達の結束、そして、劇場で一緒に世界をつくってくださった皆さまのお力により「ふたりの時間」は、愛しい作品の一つとして残すことが出来ます。
「ふたりの時間」はしあわせな時間になりました。

前述の通り、様々なスタイルの演劇があり、演技のやり方があります。何を良しとして選ぶのかは観る人に委ねられることです。
そして、作り手側も何を目指し、良しとするかは自由にさせてもらえるところでしょう。この自由がなければ、そもそも芝居なんぞつくれませんから。
僕らには目指す芝居がしっかりとあります。それを実現させる夢があります。それは今後も揺るがず、どんどん膨らむ夢です。
僕らの芝居に期待し、楽しみに待ってくださっている方々の存在があって初めて描ける夢です。その方々に僕らがどれほど感謝しているかを表すには、楽しんで、喜んでいただけるものをお届けすることしかありません。
20周年公演が終わり、猿面の原点の輪郭がくっきりと浮かんだように思っています。僕らがこれからすべきなのは、それをより厳しく見つめ、磨くことだと突きつけられたように感じています。

芝居づくりが出来るこのしあわせな一時一時を無駄にせず、これからも劇団猿面にしかできない劇の世界をつくり続けます。
僕らの芝居を観たいと思ってくださる方々の存在がある限り、理想の劇の世界を実現させるという僕らの夢が潰えることはありません。
どうかこの先も、客席からの光で猿面の夢を照らしてくださいますようお願い申し上げます。

しのだ サイン
2017.12.3


舞台写真


最後までご覧いただきましてありがとうございました!

来年も劇場でお会いできますように!!
劇団猿面一同


劇団猿面「ふたりの時間」劇場風景—番外編
劇場風景の動画版です。公演準備中の猿面たちの様子や、舞台裏・舞台映像がご覧いただけます。

画像をクリックするとYouTubeのページでご覧いただけます。


仕込み風景公演裏話公演後記舞台写真

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