劇団猿面劇団猿面第9回公演 劇場風景

STAGE09

「チェリーの事情」
—そうして僕はオカマになった—

2008年10月25日/26日

↓ END


いらっしゃいませ。
このページでは、2008年10月公演の小屋入りから公演当日の様子をお届けします。
出演者・演出の公演後記もあります。どうぞごゆっくりご覧下さい。

猿とチェリー


10月24日 小屋入り

劇場に荷物を搬入後、休む間もなく大道具と照明のセッティング。
仕込みの時間が少ないので、毎回のことながら時間との勝負です。

この日は朝から雨模様
猿面には、雨雲をつれて歩く女が約一名。

その雨女に勝てなかった野上
仕込み写真 「明日は晴れてくれよ」

仕込み写真 喉を守るため、役者陣はマスクを着用の義務。

笑ってるのか、怒ってるのか全くわからない代表のマスク顔

色んなものを吊ったり、張ったり、隠したり。
ようやく舞台の形ができてきました。

シーン毎の灯りを決めて、音響も合わせてタイミングを確認。
明朝のゲネプロ(リハーサル)に備えます。


10月25日 公演初日

諸々準備の後、すぐさまゲネプロ開始。
泣いても笑ってもこれが最後の稽古。あと数時間で、この客席にお客様が座ります。

PM1:30  ついに初日の幕開き。

舞台裏では、いろんなことが起きていました。
例えば、暗転中に退場する野上が、平台からあわや転落の危機を受け止め救ったのは、なんと、スモールシズカさんだった。とか・・・・・「あの力強さはてっきり代表だと思ってた」(野上・談)

今回の芝居では、初めて映像を使用。
可愛い子役たちに手伝ってもらいました。

猿面子役とAD野上 撮影会写真

撮影会写真見守るシズカさん

撮影会写真代表 笑顔!

青葉目映い5月に撮影しました。
声の録音も同日に行いましたが、子供たちの清らかで自然な台詞に、演出のしのだは、大満足。
そして、大人たちに厳しいダメ出し。「負けてるぞ、」

PM8:30過ぎ 初日・夜公演終演

9時には劇場から退出しなければなりません。
お客様を送り出し、衣装も脱ぎっぱなしで慌てて劇場の外へ。


楽日写真

10月26日 楽日

昼からの公演を残すのみとなり、前日とは打って変わって余裕の朝を迎えた猿面。

音響さんの要望に応え、彼女の為にギターの弾き語りをする野上。
(実際の舞台では、アカペラのシーン)
照明さんも、実際の灯りを入れてくれました。

楽日写真

最後の公演直前。声出しする役者陣。
代表は、苦手のあの単語を往生際悪く練習中。
楽日写真


 舞 台 写 真  楽日の公演より

舞台写真

舞台写真 舞台写真


チェリー
チェリー

終演後
SHO-KOの粋な計らいで、記念撮影に桜吹雪。
終演後


公演後記—公演時のカーテンコールに使用した役者紹介と共にお届けします—

「いつも明るく、元気よく、演出方を悩ませてくれる、」
 お姉ちゃんこと千鶴役     田中 綾子
代表顔写真

いつもなら、終わったー!という感じなのに、今は終わってしまった、そんな気持ちです。
公演後も今回の芝居のことを考えていたせいか、夢を見ました。
公演前にもよく見ていましたが、終わってまで夢に見るのはこの芝居が初めてのような気がします。
しかも、なぜか決まってなにかしら失敗する夢です。どうしてでしょう?
終わってからも、こんなに考えているなんて自分でもびっくりです。
それほど愛着のあるものでした。
終わってしまった今、とても寂しいです。
でも、そろそろ気持ちの整理をして、次の公演に向けて気持ちを切り替えていきたいと思います。

「この人の芝居好きは、少し病的」
 大家さんことキーコ役     芝崎 静夏
シズカ顔写真

「芝居は面白いな」
これは、悩み抜いていた時、演出のしのださんからもらった言葉。
普通の人を自然に演じることの難しさ。
まさに目からウロコ、肩の力がふっと抜けた。
ようやっと私のキーコが息を吸い込んだ気がした。
——つまりそういうこと。当たり前の事なのについ見失う。
さて、舞台の上のあの世界で、私のキーコは生き生きと呼吸していただろうか。

「すね毛の処理は、今日も完璧」
 チェリーこと虎之助役     野上 竜司
野上顔写真

オカマだけど男気があって、信じた人には甘ったれ。
虎之助は、自分の中で特別な役になった。別れがこんなに寂しい。
芝居のほかにも、着替え(女装)やら効果やら大忙しだった今回の舞台。
しかもギターは、半年以上毎日練習してきたのに土壇場でアカペラに変更。
けどね、すごく楽しかった。 あ〜楽しかった。みんな、ありがとう!


作・演出—しのだ 冬吾

初日の公演。客席は、静まり返っていました。
「あれ?ドン引きしてるのか?」
劇場の片隅にいた僕の胸に、一瞬不安がよぎりました。
しかし、舞台が進むと共に、そうではないことに気が付きました。
その静寂は、客席の方々が一心に舞台を見つめている静けさだったのです。
この客席の集中力は、舞台の上の役者たちも強く感じていたようです。
なんという空間だろう。
例えて言えば、半透明の葛でできた薄い帯のようなものが客席と舞台の隔たりに横たわっているような、そんな感じでした。
三公演、それぞれ客席の反応・雰囲気は異なっていましたが、この空間は共通して現れていたように思います。

「想いは必ず通じる。」
今回、客席から僕が改めて教えてもらったことです。芝居を続けてきてよかったと心から思えます。
無論、僕らにとってこの公演が最高ということではありません。役者も、裏方も、誰より演出にも課題は多く残されました。
けれど、「劇のなかで生きる」猿面らしい芝居が生まれたことは素直に喜びたいと思います。
そして、この「チェリーの事情」は、僕が初めて再演を願う大事な作品になりました。
この宝物を得ることができたのは、あの空間を一緒に作り出してくれた観客の皆様のおかげです。

心を込めて言います。ありがとうございました。


↑ PAGE TOP

inserted by FC2 system